こんにちは!管理栄養士のたぬきもんです!
今回は糖尿病の食事療法で有効とされているものについて解説していきます。
それではいきましょう!!
食事の仕方・選び方
主食の量をコントロール
カロリー制限は糖尿病の食事療法で最も重要な部分です。
食事の中で最もカロリー量を占めているのは主食です。
主食量を調整することは比較的簡単で、継続性の高いカロリーコントロールが可能となります。
最初はめんどくさいですが、秤で決められた量を毎回量るようにしましょう。(例えばご飯150gで200kcalだよ)
慣れればお茶碗に盛る量が量らなくてもわかるようになってきます。
【知って得する話】
お茶碗は大きい物より小さく物に盛った方が視覚的に多く見えます。
また、お茶碗の色は白よりも黒に盛った方が対象化、膨張色の効果で多く見えるよ。
食事の時間、食べる量を一定化
糖尿病の問題点は血糖の上昇の乱高下です。この乱高下が繰り返されることで、体は徐々にダメージをおっていきます。
つまり、この乱高下を小さくすることで体へのダメージを小さくすることができます。
では、具体的にどうすればよいのでしょうか。
それは食べる時間や量を一定にすることです。
ここでいう『一定』とは厳密に決められた時間や量ではありません。だいたいで大丈夫です。
1日3食なら毎日3食、2食なら2食。毎日腹8分目なら8分目、9分目なら9分目を繰り返すことです。
要は食べたり、食べなかったりをしない。
昼は8分目、夜は12分目など食べる量が毎回異なることを避ける。
不規則な食事は不規則な血糖上昇につながります
毎日同じような時間や量を繰り返すことで、体は食事に対する準備を行えるようになってきます。
欠食やドカ食いには注意しましょう。
ゆっくり食べる
食事の時間は一回に20~30分程度が適切だとされています。
5分、10分で食事が終わっているならは『早食い』です。
食事は目で見て、脳で認識、消化器官が食事を受け入れる準備を始めます。そのスピードは遅く、10分ほどかかってしまいます。
早食いはよく噛んでいない証拠です。
『噛む』というのは消化の一部で、唾液に含まれるアミラーゼで糖を分解&物理的に消化するということです。
よく噛まずに消化不十分な食物が体に入るとどうなるでしょうか。
もちろん、そんなものが胃に侵入してきたら、その後の消化器官に負担がかかってきます。
また、大量に流れ込む食物によって血糖は急上昇していきます。
体にとっては緊急事態なので、インスリンを必要以上に放出、そして血糖は急降下。
こんなことを繰り返していたら、血糖のコントロールは出来なくなってしまいます。
早食い防止するには咀嚼中は箸を止め、味わって食べること。そして、30回噛むことを意識しましょう。
満腹感は20分後にやってきます。ゆっくり食べることで食べ過ぎ防止にもつながってきます。
塩分は控えめに
塩は食事を美味しさを引き出してくれます。
そして、体の浸透圧や神経伝達など様々な働きがあります。
必要なものですが、現代人にとって塩は取り過ぎているものの一つにあげられます。
塩は食欲増進の効果があります。味の濃い物(塩分多い)ってご飯がすすみますよね。
ご飯がすすむということは、食べ過ぎてしまう原因になってしまいます。
また、塩分の取り過ぎは高血圧症を招き、内臓系への負担が高くなってしまいます。
糖尿病で怖いのは合併症。合併症予防のためにも減塩は必要です。
麺類のスープは残す、醤油、ソースはかけずにつけるなど減塩を意識しましょう。
間食との向き合い方
食事を頑張って制限していても、お菓子を食べ過ぎていては意味がありません。
お菓子は食事のように決まって食べるものではないので、気が付いたら食べ過ぎていた
なんてこともあります。
人は空気や水では太れません。食事制限を頑張っているのに体重管理や血糖コントロールが上手くいかない人は間食をし過ぎているのかもしれません。
間食は200kcal程度に抑えるようにしましょう。
例えば、クッキー5枚、板チョコ2/3枚、ショートケーキ1/2個、ドーナツ2/3個などです。
間食をし過ぎないためのポイントは
- 買わない
- 少量を選ぶ
- 記録する
- 別の物を食べる(ガムや低カロリーの物)
- 見えないようにする
一袋食べたという達成感があると満足するので、大袋でも小袋でもあまり変わりありません。割高でも少量を選びましょう。
間食は視界に入ったらたべたくなるものなので、制限中は出来るだけ遠ざけるようしてください。
そして、カロリー表示があるものは確認する癖をつけましょう。
外食時の食事の選び方
外食の多くは塩、砂糖、脂肪、炭水化物を主体としたものが多くなっています。
なぜかというと、美味しくて安いからです。
食事が満足に食べられなかった狩猟採集時代のスペックと現代人はほとんど変わっていないそうです。
なので人はカロリーの高い食べ物(塩、砂糖、脂肪、炭水化物)求めるようにできています。
そして、それらで作られた食べ物は現代では低コストで作れ溢れています。
食べる機会が多くなった分、食べ過ぎてしまっています。
外食に限りませんが、外食は美味しく食べもらえるように味を濃くして、油や砂糖をふんだんに使用しています。まずは、そこを理解したうえで外食をしていきましょう。
外食の際には以下のようなことに気を付けるといいでしょう。
洋食よりも和食、肉料理よりも魚料理、野菜やタンパク質多めの食事などを選ぶようにしましょう。
また、居酒屋では刺身や、焼き鳥(塩)、焼き魚、サラダなどを食べ、揚げ物、炭水化物系の食事は避けるようにしましょう。もちろん、お酒は適量で。
敢えて食べる
健康的な食事は糖質、脂質、タンパク質のバランスが良い物とされています。
Ⅱ型糖尿病になる方の多くは、糖質、脂質に偏った食習慣に陥りがちなのです。
そこで、普段の食事にタンパク質の追加をすることでバランスをとることができます。
菓子パンではなくハムや卵の入ったサンドイッチにしたり、カップ麺にはサラダチキンを入れたりとバランスを整えることで偏り解消されていきます。
以前にも解説した記事があるのでこちらもみてください。
まとめ
食事の仕方や食べ方について書いてきましたが、
すべてを完璧にやろうと思わないでください。
食事の仕方というのはすぐに変えられるものではありません。
無理をしない、頑張らないことが大切です。複雑なカロリー計算もしなくていいです。
80点でなくてもいい、60点でもいいんのでやれることを継続してやってみてください。
3日坊主になってもいいです。一度休憩したつもりでもう一度チャレンジしてください。
3日坊主も繰り返せば3日坊主でなくなります。
足を止めないことが糖尿病の食事療法への一歩となります。
この記事が今の食事を見直すきっかけになれば幸いです。
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