慢性的な疲れの原因は「炎症」
休んでいるつもりなのに体の疲れが取れない、ダル重いと感じることはないでしょうか?
それは体の中で「炎症」が慢性化しているのかもしれません。
炎症とはまさに体の中で火事が起こっているような状態。
風邪をひいても、しばらくすると治るように体には再生機能が携わっており、炎症のような火事が起こっても鎮火する能力を持っています。
しかし、ストレスや不摂生な生活、加齢などが原因で再生機能の低下に陥ってしまいます。
今回は「炎症」の仕組みと予防について解説していきます。
炎症には「糖化」と「酸化」の2種類がある
糖化とは「焦げる」こと
糖は重要なエネルギー源で、体内に入った糖は体で代謝され、私たちの身体や活動の為のエネルギー源になります。しかし、必要以上の糖をそのままの形では保持することは出来ず、グリコーゲンや脂肪などに変換され保管されます。
糖が余るような状態が慢性化してくる体の中のたんぱく質と結合します。
この結合した物質がAGE(終末糖化産物)といいます。
AGEはサイトカイニンという炎症を引き起こす物質の分泌を促し、細胞や皮膚の老化などを促進させます。
AGEは食材を加熱した際に出来る焦げた部分に多く、主に揚げ物、焼き物に多く含まれており、特に揚げ物には多い。
酸化とは「錆びる」こと
酸化の原因となる酸素もまた体のエネルギーを作るうえでなくてはならない物です。
体の中に取り込まれた酸素は活性酸素という物質に変わります。
活性酸素はエネルギーを作る際に必ず発生するものなのですが、ここでも ストレスや不摂生な生活、加齢などが原因 で処理しきれないという事態に陥ります。
多くなり過ぎた活性酸素は細胞やDNAにダメージを与え、傷つけることがわかっています。
炎症を防ぐ食習慣
空腹状態を作る
そもそも食べ過ぎることは体の中に「糖」を余らせる原因になります。また、常に満腹状態では体は消化機能をフル回転させなければならず、内臓を休ませることができません。
10代、20代のうちは代謝機能も元気なので問題はなかったかもしれませんが、年齢を重ねるとこの代謝機能にも衰えがでてきます。
「食べないと元気が出ない!」と思われがちですが、現代人は食べ過ぎている傾向にあり、腹八分目でも十分に栄養補給は出来ています。
そして、空腹状態は体内に備わっているサーチュイン遺伝子を活性化させ、たんぱく質を生まれ変わらせる作用があります。
これは2016年にノーベル賞を受賞した大隅教授の「オートファジー」の研究からも明らかです。
オートファジー 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
まずは腹八分目。もしくは10~12時間何も食べない時間をつくる「プチ断食」がおススメです。
量より質を重視する
ジャンクフードやお菓子などは食べた瞬間は満足感が高いが、AGEを多く含む食品でもあります。
また、糖代謝を乱れさせ、肥満やメタボリックシンドロームの原因にもなります。
肥満はAGEや活性酸素の量も増え、細胞も弱った状態になっています。
すべての原因の引き金になる肥満も解消が必要なのです。
報酬系のホルモンを分泌するものが多いので、すぐにはやめることは難しいかもしれませんが、少しずつ量を減らしていき、最終的には食べないようにするのが理想です。
腸内環境を整える
腸内環境を整えることで、炎症反応を抑えることできます。
方法として、良い菌を摂取する(プロバイオティクス)、良い菌のエサになるものを摂取する(プレバイオティクス)などです。
プロバイオティクスはヨーグルト、キムチ、味噌などの発酵食品を食べることで腸内の細菌を増やして正常化することです。
プレバイオティクスはオリゴ糖や食物繊維などの既に腸にいる細菌のエサを食べることで細菌の活性化を促すものです。
野菜・果物を食べる
野菜の色の中にはファイトケミカルという抗酸化物資が多く含まれています。
野菜は紫外線などの外的ストレスから身を守るためにファイトケミカルという物質で身を守っています。なので、主に、皮に多く含まれています。
緑黄色野菜(ほうれん草、ブロッコリーなど)の緑が濃い野菜を食べるのが良いでしょう。
りんごなどは皮をむかず、ごぼうも表面の土などを落とす程度で皮ごと食べるのが良いとされています。
まとめ
体の不調は炎症からきていることが多い。
炎症には体を焦げさせる「糖化」と錆びさせる「酸化」の2種類がある。
炎症を防ぐには原因物質の摂取を減らすことや、抗酸化食品の摂取を増やすことにある。
コメント