憧れでなったはずの管理栄養士・栄養士にようやくなれたのに
なぜこんなに栄養士の仕事はつらいのか?
こんにちは
私は管理栄養士歴13年の
たぬきもんです
私は直営栄養士として3つの病院や施設の栄養管理や
厨房業務を行ってきました。
今回はわたしが栄養士になってから気が付いた「栄養士の仕事がつらい理由」がわかるようになります。
おいおい、そんな記事を書くなよ
これから栄養士を目指す学生さんや今現場で働く栄養士さんにとって為になると思い今回の記事を書いています。不安を煽るような記事かもしれませんが、
何も知らないままこの世界に飛び込む方が危ないです。
事前に相手投手の球種を知るすることで、打ち返すことができる!
漠然とした不安やストレスを文字にすることで今後訪れる障壁に対策がとれると思います。
主に直営栄養士目線で感じたことを中心にお話しします。
厨房業務
栄養管理や栄養指導がしたくて栄養士になった方でも新卒のほとんどが厨房業務からスタートします。
まったく厨房経験なしからの栄養管理業務を行う場合もありますが、厨房業務を経験してはじめてわかることが多く、多くの現場では厨房業務→栄養管理の流れを取っています。
ここが新卒の最初の壁でもあります。厨房業務は完全に学生時代のイメージとは異なる栄養士像であるからです。
因みに同じ栄養士でも厨房業務と栄養管理では全くプレースタイルが変わってきます。
野球ならピッチャーとバッター、サッカーならDFとFW、バンドならドラムとボーカルぐらい別物です。
厨房業務というと『調理』を思い浮かべる人が多いと思いますが、実際主調理をすることは少ないと思います。
規模の小さなところでない限り調理業務自体は調理師さんが担うのが一般的です。
栄養士が担うのは主な業務は「調理補助」です。
調理補助はできた料理の盛り付けや配膳、清掃洗浄を主に行います。ここは調理員さん(パート)とほぼ同じ仕事です。「栄養士なのに調理員さんと同じ仕事なんて・・・」と感じる人もいますが、調理員さんの仕事がなければ給食は提供できません。そして、ここの業務を把握しないと厨房内での業務のしんどさを理解できません。献立が複雑すぎないか、盛り付けがきれいか、残食量はどうかなど実際やってみないと分からないことが多いです。いざ、厨房を離れて仕事をすると施設からの要望にこたえなくてはなりません。ここで厨房経験が生かされてきます。この「頼み事」はすんなり受け入れてくれそうとか、この「頼み事」はなかなか難しいかも・・じゃあここの業務を縮小して・・など調整もしやすくなりす。
そのため「調理補助」を経験することは栄養士業務をするうえで知っておきたい業務なのです。
「調理補助」に加えて、栄養士の仕事に衛生管理や書類管理などを行う必要があります。給食という大量調理では食中毒が発生しやすい環境です。
安全な食事の提供の為に衛生管理を徹底しなければなりません。
- 残留塩素の測定
- 厨房内の温度、湿度
- 冷蔵庫の温度
- 検品時の温度、品質、期限確認
この他に食数確認や残食量、中心温度の記録があるかなど記録することがたくさんあります。
ここまで厨房業務の重要性を解説してきましたが、
厨房業務は毎日違うメニューに対応しないといけないことは慣れない頃はかなりのプレッシャーになります。食事提供は正確性と時間に追われている状態は身体的にも精神的にも消耗してしまいます。
加えて大量の書類やマニュアルを毎日クリアしなければならないというのはしんどくなるのも当然です。
昨日出来た手順でも今日は出来る手順とは限りません。
ここで良くないのがしんどさが先行し、美味しい食事を患者様や利用様届けるのではなく、ただ食事を用意して時間内に出すことが目的になってしまう(食べる人をイメージ出来なくなる)ことです。
ただの作業は栄養士のやりがいを見失ってしまう原因になります。
対策:小さな変化を加えていく&スキルを磨く
精神的にも身体的にも厨房業務はしんどいです。だからこそ、得るものも多いと思います。
実際、栄養士として働くまでこれだけの食事にかかわることもなかったし、衛生についても肌でその重要さを感じることができます。実務経験を重ねることで日々レベルアップしています。昨日はこのやり方ではうまくいかなかったから、今日はこれを試したらうまくいったなど、だんだんとしんどさの中にも楽しさをみいだせるようになります。
大きな山を乗り越えた先には、乗り越えた事実とスキルが手に入ります。
いろいろ方法を試しながら毎日実験のつもりで仕事をしてみましょう。
給料が低い
おわかりいただけただろうか?
栄養士の給与体制は基本的に平均を下回るのだ。なぜかというと、
栄養士という資格で生み出すことができる利益が他の職種に比べて低いことが原因にある。
いきなり重いの来たなぁ
これは就職前にわかっていることが多いです。基本給に関しては契約の時点で説明があると思います。納得の上で就職するわけですから、ここは自分で選択できることです。
ここで大事なのは年収がどれだけになるかということです。手当てが手厚くても基本給が低かったり、ボーナスの比率が低かったりすると年収が想定よりも低い場合があります。残業代もボーナスも基本給をもとに算出されます。1年間でどれくらい給与があるか計算してみましょう。
対策:資格を取る、役職を付けてもらうor 転職する
今の給与をアップさせるには実績を積んで、資格手当や役職手当を付けてもらう必要があります。もちろん、昇給制度があるところは勤続年数が増えれば給与も増えるはずですが、ほとんど上がらないことは少なくありません。そこで新たに資格を修得したり、施設内で実績を上げたりして手当を増やすことができます。
しかし、ここにも問題があります。所属先がその資格の取得を望んでいるのかにもよります。資格は自分のレベルアップには直結しますが、所属の利益につながるかは不透明です。資格取得前にその資格がどれだけ所属先のメリットになるかをアピールする必要があります。
役職手当についても問題があり、すでに役職者の席が埋まっているときです。どんなに実績を上げていてもそこが空かない限り役職手当というのは難しくなります。
給与を大きく伸ばすには転職することが一番の近道かもしれません。
仕事内容に不満がないけど、給与が低くて辛い人は副業なども一つの手段になってきます。
現在(いま)の自分とっての最優先事項はなにか。
給与は少し下がっても、残業がない、通勤時間が短い、業務内容でやりたいことができるなど自分の生活スタイルに合った職場に転職するのも一つの手です。
また、新卒の時と結婚して子供がいるでは状況も大きく変わっており優先順位も異なるはずです。
昔は「最低3年は仕事を続けなさい」なんて言われていましたが、そんなことはありません。
仕事はお金を稼ぐ手段ですが、人生の3分の1は労働しているといわれています。給料だけ見るのではなく、自分自身がその仕事にやりがいを感じるかを改めて考えてほしいのです。
長時間労働
長時間労働になる原因としては人手不足。人員を補うために栄養士がカバーして給食を提供しており、厨房から出られないという構図が出来上がってしまっています。
厨房業務は体力がいる仕事なので、いざ栄養管理をしようにも十分な熟考ができずDrや他部署からの指示や提案を実行するだけになってしまいがちです。
勉強するにもすべての仕事を終えた後にあるのでなかなか難しい状況。
だから、栄養管理できる栄養士が育たない理由になっています。
時間が余ったときに病棟へ行こうでは栄養管理は不十分であり、実力もついてはいかないのです。
対策:やらなくていいことをしない。人に任せる。
まずは施設や管理者と話し合いましょう。業務改善や効率化を進めるとともにマンパワー不足解消にも取り組まないといけません。厨房業務はどうしても人がいる仕事なのでマンパワー不足では栄養士の業務は十分に行えません。
栄養管理が十分に行えていれば、栄養状態や病態改善、排便コントロールなどがよくなり、介護や服薬の量を減らすことができます。
厨房や栄養士は利益を生まないと思われがちですが、間接的に施設全体のコストを下げられる可能性を持っています。
ここで重要なのは
人員補充をしてくれてもすぐにやめてしまうようでは施設側もこちらの要望には応えてくれません。
人に任せるにしてもその人が業務自体をわかっていなければ、その都度作業が滞ることになります。そうなると余計に手間と労力がかかってしまいます。
業務の作業工程表、マニュアル化を厳密を整備したうえで
人員補充の要望を出しましょう。
そこで一日の作業工程表を作成し、流れをマニュアル化しておく必要があります。マニュアルを作るメリットは誰が教えても基本的にマニュアルに沿った作業になることです。そうすることで、教える側、教えてもらう側の負担が減って時間の短縮にもなります。また、やり忘れなども防ぐことができ、やり直し作業が少なくなります。
マニュアルを作るのは大変ですが、今後の生産性を考えるとあった方が非常に有用だと思います。作業工程表はどこの現場にもあると思いますが、一時作ったっきり改訂していないこともあるので業務改善の際には再度見直してみるのもいいと思います。
Excelを活用して業務をパソコンに代わってもらうことも時間短縮の方法です。苦手意識がある人にはハードルが高そうですが今はYouTubeなどの無料コンテンツも充実しているのでパソコンが苦手な人もすぐに業務に役立つスキルが身につくと思います。
重労働(早い・重い・遅い)
厨房は一日の大半が立ち仕事です。早番がある施設なら朝の5時、6時から出勤して業務開始します。そこから、朝の食出し、昼食の準備、提供を終えてやっと昼食休憩、ここでやっと座れます。すべての施設がこの流れとは限りませんが、どこの施設も昼食は朝夕よりも手間のかかるメニューを組み込むことが多いので休まず業務を行うところも多いです。遅番は掃除や後片付けがあり終業が7時8時になることも多い。また、食数が多くなれば扱う食材の量や機器も大きくなり、鍋や調理器具を扱うにも力がいるようになってくる。
もちろん、栄養士は栄養管理や献立業務が主な仕事であり、これらポジションは主に調理師、パートさんが行う業務です。栄養士が主でする仕事でありませんが、初めからこれらも業務内容に組み込まれていたり、人員不足であったりすれば栄養士もこれらの業務に従事しないといけません。
私の新卒の頃は4時半に出勤して、昼食の準備が一通り落ち着いたら
病棟業務に移る流れでした。
栄養士ってこんなに体力がいる仕事だとは思いませんでした。
対策:体調管理・休む
休日にはしっかりと休むことが必要です。
休みにも積極的休養、消極的休養があり、疲れの種類によっては使い分けなくてはなりません。
積極的休養とは運動など体を動かしてリフレッシュする方法、
消極的休養とは睡眠や読書など体を動かさない方法です。
基本に心理的疲労には積極的休養、身体的疲労には消極的休養が良いとされています。
どちらの方法をとるにせよ、休みを休みにするために「休みの日はこれをする!」と決めてから休みを迎えましょう。
そうでなければ、寝すぎてしまったり、スマホをなんとなく見たり、ゴロゴロするだけの一日で終わってしまいます。これらが絶対的に悪いことではありません。計画的過眠やゴロゴロは予定通りなので問題ありません。
自分の思い通りの休みを過ごせた!という感覚が大事なのです。
みんな忙しくてスキルが育たない
厨房に集中しているからといって決して楽なわけではない。給食はただご飯の準備をしているわけではなく、衛生管理、温度管理など大量調理マニュアルに基づいて提供されている。
栄養管理では患者様や利用者様によって病態が複数合併してるケース、身体レベル、認知度、服薬による影響、嗜好がことなり教科書で学んだことを大きく超えて対応しないといけません。
ミールラウンド、摂取量のチェック、ONSの検討、栄養管理計画の作成、モニタリング、栄養剤の提案など他にもたくさんありますが、これらを1人1人に対して行わなければなりません。
ただでさえ多い業務量に、提供時間をきちんと守らないといけない。とりあえず、今日を乗り切ろうで毎日過ごしてしまうことが多い。
後輩の育成をしたいと思っていても、日常業務の時間を割いて指導するのはどうしても難しい。自分がやった方が速いと感じている人も多いだろう。
栄養管理や厨房は教育が疎かになってしまいやすい環境なのだ。
対策:分からない部分はまとめて聞く
いざ現場で業務をするにあたっていきなり厨房の仕事や栄養管理の仕事ができるなら苦労はしない。できないことに自暴自棄になることありますよね。しかし、出来ないことは当たり前なのだからそこは受け入れ、何ができないのか、わからないのかを自分で認識しておくことが大切です。その場、その場で質問できる環境ならすぐに聞くのが良いですが、作業を中断させることになるのでできれば後から聞けるように「わからないことリスト」を作成しておくことをオススメします。
上司や先輩が忙しくても後から(時間の余裕がある時)でも確認すれば、上司や先輩も丁寧に説明してくれるし、自分も仕事内容の理解を深めることができる。なので、仕事中は後から質問したいことを簡単なメモでいいので記録しておくことが大切です。
ここで注意なのが「わからないこと」は出来れば当日や翌日までに聞くことです。
1週間前のことを聞いても上司や先輩もわからないかもしれないし、あまり印象はよくありません。
ここで知っておいてほしいのはどんなにバリバリ業務をこなせる人であっても教え方が上手いとは限らないということです。「名選手名監督にあらず」という言葉もあるように教えるのは苦手という人は多いです。質問するときはできるだけ内容を具体的にしたり、簡潔にしたりして相手が答えやすいように聞くのがベストです。そのためにもわからないことリストを作るのは効果的なのです。
わからないことを聞くのは恥ずかしいことではありません。誰でも最初は初心者です。
少しでもできることが増えるように慌てず一つずつできるようになりましょう。
他職種スタッフを頼る
栄養管理は対象者のキャラクターや普段の生活を掴めるとやりやすくなります。部屋での過ごし方、こういうリハビリをしている、よく間食をしてるとか、何が好きで何が嫌いかなどカルテでわからないことがたくさんあります。病棟へ十分に行けないとそういった情報も知り得ません。
そこで病棟に行った時は対象者だけでなく、まわりのスタッフとも積極的にコミュニケーションをとって情報を入手することが必須になります。そこで関係性を築ければ多職種からの栄養管理の要望や提案も得ることができます。
複雑化している病態に対して一人で抱え込まず多職種を頼ることも栄養管理をする上で重要になってきます。
職能スキル不足(実戦経験不足)
管理栄養士・栄養士になるには?
管理栄養士・栄養士になるには、高校卒業後、管理栄養士養成課程もしくは栄養士養成課程のある大学、短期大学、専門学校に入学し、所定の単位を取得して卒業することが必要です。これらの学校は、管理栄養士養成施設、栄養士養成施設と呼ばれ、全国に管理栄養士養成施設は137校、栄養士養成施設は138校あります(2019年度現在、一般社団法人全国栄養士養成施設協会より)。 管理栄養士養成施設も、栄養士養成施設も、勉強する内容が多いことや実習があることなどから、夜間の学校や通信教育はありません。必ず昼間の学校に通う必要があります。
養成施設では国家試験対策を重点的に行いますが、実務経験が少ないまま卒業を迎えることになります。しかし、当然実際の現場では知識ではなく、実務が優先的に必要になってきます。
献立を立てたり、衛生管理をしたり、栄養計画を立てたり、施設スタッフと打ち合わせをしたりなど現場を動かしていく力が必要になります。つまり、資格はあるけど、勉強したこととは全く違うことをするわけです。もちろん、全く知識を必要としないわけではありませんが、すべてが手探り状態なわけです。しかも、今まで説明してきた通り教育環境が整った場所ばかりではないので、積極的に学んでいかないと消耗していくばかりになります。
対策:自分から学ぶこと
こんな言い方をすると抵抗があるかもしれませんが、雇い主から給料をもらっている人はみんなサラリーマンです。つまり、大抵の栄養士はサラリーマンなのです。栄養士の分野はもちろん勉強するべきですが、それをさらに活かすためにも専門分野以外のビジネススキルも学ぶ必要があります。人に教えてもらったり、セミナーに行ったり、本を読んだりしながら、受け身ではなく自分から学んでいかなければなりません。最初はなかなかすぐには活かせないし、身につけるのも大変ですが、どこでも働けるという自信にもつながります。学ぶことを忘れず自分を高めていきましょう。
献立に求めるものが多すぎる
栄養士は献立作成を行いますが、ただ食べたい物を作って提供しているのではありません。
同じ食材や調理法が続いていないか、栄養価が充足しているか、コストはオーバーしていないか、季節感、行事食なども組み込み、これらのどの条件も満たさないといけません。さらには喫食者の嗜好や要望も確認して常に改善を行っていかなければなりません。
今回の物価高でコスト面をクリアする難易度が上がり、多くの栄養士を苦しめている状況です。
毎回決まったものを作る外食とは違い、毎日異なる状況で異なる多種多様な食事を作るので仕上がりの安定性の維持が難しく、在庫管理も必要になってきます。
対策:許容範囲の把握、自己満足になっていないか
献立作成に正解はありません。正解がないからこそ、みんな悩みに悩んで献立を立てています。
献立作成に大切なのは何に優先順位を置くかを決めておくことです。栄養価は栄養基準があるので譲れませんが、食材の被りや調理方法、メニューの頻度などはそれぞれの給食に対する考え方に影響されます。栄養士や施設とも話し合いどういう献立が求められているのか、過剰に時間をかけすぎていないかをよく確認する必要があります。質を求めすぎても自己満足になってしまいがちです。献立を立てる人、チェックする人、食べる人の中の許容範囲を見極めないと作成のハードルを上げすぎてしまいます。譲れるところ、譲れないところの線引きをしっかりと明文化しておくことも大切です。
リーダーシップが必要
栄養部門でトップにいるのは管理栄養士(もしくは栄養士)です。栄養士は組織を統制する役割があります。食数を管理したり、指示書を作成したり、厨房業務のかじ取りをしたりとリーダーシップを発揮しないといけません。厨房スタッフ、パートさんはほとんどが資格を持っていません。厨房業務や衛生管理を安心安全に行うために指導や部署内で研修や勉強会を行います。それでも、目の行き届く範囲が個人によって異なってきます。栄養士はその都度教育や指導を行っていかなければなりません。
対策:仕組を作る
自分はそんな先頭に立って指示なんてできないと思っていませんか?私は思っていました。
厨房でバリバリ指示を出して、人をまわしていく…そんなイメージがありました。
でも、リーダーだからそういうスキルが必ず必要だとは限りません。もちろん、事故が起こらないように注意を払う必要はありますが、注意していてもミスは起こりうることです。
まずは栄養士の役割としてミスのフォローではなくミスが発生しない仕組みづくりを優先的に行うべきなのです。
人員の配置、色分け、複数人で確認するなどミスをどれだけ減らしていけるか、どうすれば効率よく食事を提供できるのかを考えるのが栄養士、リーダーの仕事です。
また、スタッフとの信頼関係の構築も重要です。パートさんたちは栄養士に比べて年齢が上のことも多く、人生の先輩です。言葉遣いを意外と見ています。正しい敬語をマスターしなければいけないわけではありませんが、丁寧語を心がけて接することで信頼関係築くことできると思います。
人間関係
栄養士の仕事のみならず、働いていて悩みが多いのが人間関係です。
学生時代とは違い社会に出ると全く遭遇したことのないタイプの人と仕事をすることになります。世代間ギャップや仕事への考え方、人との接し方など本当に多種多様です。正直、人間関係が良好な職場なら今までのしんどいことも乗り越えやすいですが、ここが悪ければ状況はさらに悪化します。その人との相性もあるので自分にとってその職場の人間関係は合っているのか見極める必要があります(自分は無理でも、他の人なら大丈夫。またその逆もしかり)。
対策:自分へのアドバイス or 異動・転職
人間関係について考えるときまずは自分の言動に向き合います。素直に誤りを認めたか、言い訳をしていないか、同じミスばかりしていないか、怠慢な業務になっていないかなど、普段の自分の言動を自分と同じ立場の人がやっていたらどうか、その場合はどんなアドバイスをするかを考えます。
こうして、自分の言動を少しずつ修正していきます。しかし、あまりこれをやりすぎると自己肯定感を下げてしまうので、出来ていること、いいことも同時に見つけていくことがポイントになります。
相手の言動に目を向けるとき仕事中は厳しいが、普段は話しやすい環境を作ってくれている職場なら問題ありませんが、もしも自分の業務に対する行為ではなく、人格を否定したり、出来ないことを馬鹿にしたりするような人がいる職場であればすぐに離れた方がいいと私は思います。
職場は一つではありません。異動できるなら異動、できないなら転職するほうが自分の為になります。やっとのことで就職できた、今辞めたらもったいないと思っても、相性の悪い人とは分かり合えません。自分が壊れてしまう前に新しい環境に身を置くべきです。
実はこっちも大変・・・
自分の人間関係が問題ない場合であっても問題はまだあります。
栄養部門は厨房スタッフの数が多い分、それぞれの価値観があり人間関係のトラブルを招く原因になります。また、栄養士自身に問題がなくても、スタッフ間のトラブルの仲介しなければいけない立場になるので一筋縄ではいきません。この場合、中立の立場でお互いの言い分をきちんと聞いたうえで解決策を探っていきましょう。
それでも私が管理栄養士を続けている理由
ここまでくると、逆になんで栄養士なんてやっているのと思うかもしれませんよね。
でもね、、栄養士はすごいんです。
栄養士は病気を未然に防ぐことができるんです。
どんなにお金や時間があってもそれを使うカラダが健康でなければ十分に楽しむことはできません。
私たちは科学や医療が進歩し美味しい物もたくさん食べられるようになり長生きにできるようになりましたが、不健康にもなりました。
よりよい人生を送るには健康は欠かせません。
食べること、栄養をとることは生物としてなくてはならないことです。
食べ方や食べ物で人の健康は決まるといっても過言ではありません。
栄養不良が子供なら体は大きくならないし、病気の人なら治療が進みません。
根源的位置に属している栄養のことを扱える栄養士はとても重要なのです。
正直、栄養士の仕事はやること多いし、覚えることも多いし、複雑すぎるし、なんちゃって栄養学にさらされやすいです。なので最初のうちは空回りする日々が続くと思います。
でも、栄養士という仕事は上手く動き出せば、一気に視界が明るくなります。そして、自分の力を発揮できれば多くの人に影響を与えることができます。
まだまだ栄養について世の中の人はみんな知らないし、私も十分に理解しているとは言えません。
しかし、その分いろいろな可能性がまだまだあります。
栄養士は必要とされています。
あなたは必要とされています。
一人でも多くの人に栄養士という仕事を理解し好きになってもらえたら、
栄養士という仕事でたくさんの人を笑顔を作っていけたらいいと私は願っています。
栄養士を目指しているけど不安な方、栄養士として日々業務に不満な方の少しでも参考になれば幸いです。