こんにちは!管理栄養士のたぬきもんです!
「野菜も食べなさい!」。と子供の頃、誰も言われたことがあると思います。でも、なんで野菜を食べなければいけないのでしょうか?
自分の子供や、人に聞かれたとき即座に答えられますか?
私も小さい頃の記憶には「体にいいから。」「体が大きくなるから。」など曖昧の記憶しかありません。
また、テレビや雑誌などでも『野菜を食べよう!』的な広告や情報はよく見ますが、理由はあまり見かけません。
そこで今回は野菜を食べる理由やメリットなどを解説していきます。
野菜を食べなければならない理由
野菜には糖質、タンパク質、脂質ようなエネルギー補給という役割ではなく、
主に食物繊維とビタミン、ミネラルの補給の為です。
これらが体を元気に正常に動かすために必要不可欠な成分なのです。
野菜を摂取するメリットを見ていきましょう。
満腹感を得られる
野菜は食物繊維が豊富に含まれており、腸で水分を含み膨らみます。それが腸の蠕動運動を促すことで便通改善効果が期待できます。
また、物理的に”かさ”があるので満腹感を生んでくれ食べ過ぎ防止の役割を担ってくれているのです。
生活習慣病予防になる
生活習慣病である脳卒中、がん、高血圧などを予防してくれるのが、カリウム、食物繊維、抗酸化ビタミン、ファイトケミカルなどといった野菜に含まれる成分です。
カリウムはナトリウムとともに体の水分調整をしてくれていて、高血圧の予防につながります。
食物繊維は食べすぎ防止や、血糖上昇をおさえたり、余分な栄養素の吸収を妨げたりと肥満予防の効果が期待できます。
抗酸化ビタミンとは体でエネルギーが作られるときに出る”サビ”を掃除してくれる役割をもっています。
このさびがたまり続けると生活習慣病やがんになる確率が上がるといわれています。
ファイトケミカルは野菜の色のことです。
有名なのでいえばトマトのリコピン。
野菜は外的ストレスから身を守るために強い抗酸化力をこの濃い色のなかにもっています。
これも、先ほどと同様”サビ”から守ってくれるものになります。
緑黄色野菜はまさにファイトケミカルを多く含んだ野菜です!
ビタミン・ミネラル補給で
人は糖質、タンパク質、脂質をエネルギーにして生きています。
そのエネルギーを効率よく作るためにビタミン、ミネラルといった成分が必要になってきます。
例えば、体のなかで糖質をエネルギーする過程でビタミンB1というビタミンが必要で、これがないとエネルギーの生成が上手くいかなくなってしまいます。
また、ビタミンは免疫力を上げてくれたり、骨の形成などを促したりと体を作るために毎日どんどん消費されています。
だから、毎日野菜をとることが必要になってきます。
各野菜にはそれぞれ様々なビタミン、ミネラルがいろいろな割合で含まれているので、同じようなものより数種類の野菜を取ることでその効果をより得ることができます。
野菜をどれぐらい食べるべきか
”野菜1日350g”の根拠
毎年、厚生労働省は国民の健康増進を目的に「国民健康・栄養調査」と呼ばれる健康や栄養摂取に関するデータを集めています。
この調査で健康でいられるための栄養素の摂取量を検討したところ、、
食物繊維やビタミンCなどの栄養素が目標量に達するのが350g以上であることが分かった。
ここで”350g”という数字が登場だね!
因みに350gのうち120gは緑黄色野菜以上で食べましょうと推奨されている。
キャベツやレタスなどの淡色野菜にも栄養素は多いのですが、トマトやほうれん草など色の濃い緑黄色野菜はファイトケミカルや抗酸化ビタミン含を豊富に含んでいるなので必ず三食のうちどこかでは食べたいですね。
「350g以上食べましょう!」ということなので、もっと食べたい人はもりもり摂取していきましょう!
そうでない人は350gに近づけられるように普段の食事を見直していきましょう。
私たちが食べている野菜の量は
平成30年の国民健康・栄養調査によると次のような調査結果になったようです。
野菜摂取量の平均値は 281.4g であり、男女別にみると男性 290.9g、女性 273.3g である。
平成 30 年 国民健康・栄養調査結果の概要https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000681198.pdf
この 10 年間でみると、いずれも有意な増減はみられない。年齢階級別にみると、男女ともに
20~40 歳代で少なく、60 歳以上で多い。
280gということは70gほど足りていないことになります。
70gといえば野菜の小鉢2個分を今の食事にプラスしなければならない計算になる。
この結果はあくまで平均なので、人によっては食べている量は全然違うと思います。
野菜大好きな私は350gよりもっと食べてるよ。
全然野菜とか食べてない気がする。。
実際、食べながら計量するのはなかなか難しいところ。そこで手ばかりという野菜の重さなどを簡単に計る方法があります。
因みに120gの生野菜は両手の手のひらにで計ることができます。
つまり、1日両手の平3杯分の野菜を摂取することが目安になります。
このことを意識するだけでも、日々の野菜の摂取量は増えるのではないでしょうか。
野菜の摂取量を増やすには
量を増やす
単純に量を増やすというのがシンプルな考え方です。
野菜の量を多めにした料理を作る。
または、おかずを2品増やすなど。でも、その分調理する手間やコストがかかってしまいます。そこでおすすめなのは前回紹介した「カット野菜」や冷凍野菜を使うのも有効です。
頻度を増やす
国民健康・栄養調査によると朝食を抜く人の割合いは全体で男性15.0%、女性10.2%、20代に限って言えば男性30.6%、女性23.6%と若い世代になると多くなってます。
つまり、もしあなたが朝食を抜いているなら1食で180gの野菜を摂取しなければいけないことになり、昼夕食で大変になってきます。
朝食を食べる習慣がない人でも、ミニトマト、ゆでブロッコリー、キュウリや人参スティックなど簡単につまめるような野菜を取り入れてみるのはどうでしょうか。
また、おやつの代わりに間食として野菜を食べるのもありだと思います。
野菜を食べるときの注意点
野菜ジュースは野菜ではない
市販の野菜ジュースは350g以上の野菜から野菜ジュースを作っていますが、製造過程で食物繊維は取り除かれています。
ごくごくと飲める野菜ジュースは飲みやすさや美味しさを重視するため食物繊維をろ過しています。
今まで説明してきた野菜を摂取する意味を考えるとその効果は低くなってきます。
また、野菜ジュースはフルーツを混ぜたものの多く、実は半分フルーツジュースの可能性がある。フルーツジュースは糖分を多く含んでおり、習慣的に飲んでいると生活習慣病のリスクが高くなる。
サラダという名前だけど・・・
ポテトサラダ、マカロニサラダ、南瓜サラダなど…様々なサラダがある。
野菜はわずかしか入っておらず糖質と脂質が非常に多い。野菜としてはカウントいてはいけません。
特にマヨネーズたっぷりのものにはご注意を!
野菜を増やすと増えるもの
そのまま食べられる野菜も多いが、やはり調理した方が食べやすくなるもの。
調理ということは味付けをする。味付けをするということは塩分が増える。つまり、塩分が過多になりやすくなる。
サラダならドレッシング、炒め物、煮物なら醤油や味噌など調理には塩分が伴う。
自分がおいしいと感じる味、つまり、塩分濃度を変えないで、量だけ増やせば絶対的に塩分が増えてしまうのは当たり前の話であるが、あまり気づけないところでもある。
塩分の取りすぎは高血圧や生活習慣病につながる可能性があるので、塩分のことも気にする必要がある。
少量のドレッシングや薄味で調理すれば、それほど塩分量も気にしなくていいかもしれませんが、生のまま食べたり、ゆで野菜にして味付けしないなどが一番おすすめです。
他のおかずの組み合わせを工夫して美味しく野菜を食べていきましょう。
まとめ
野菜を食べなければいけない理由は、
食物繊維、ビタミンミネラル補給の為!
食物繊維には食べすぎ防止効果、ビタミンミネラルには高血圧予防やカラダのサビを取る効果がある。
野菜を食べることは生活習慣病を予防したり、便通を改善したり、免疫力を高めたり、日々の活力になったりといいことだらけです。
食物繊維やビタミンミネラルの目標量を満たすのが350gの野菜!
普段の私たちの野菜の摂取量は300g程度と言われています。
野菜の健康効果を得られるのに必要な量まであと少し!!
毎日の食事にもう一品野菜を増やして、元気で健康な毎日をおくっていきしょう。
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