こんにちは、管理栄養士のたぬきもんです
今回も心理効果について解説します
毎日の食事を考えるのは大変です。栄養や昨日と被らないようにとか・・。
「今日はおいしくできた!」と頑張って作った料理。
それなのに家族が食べてくれない時ありますよね。
今日はいつもより美味しい煮物ができた!!
煮物はいらないよー
「せっかく時間をかけて作ったんだから、もったいない!」と思って自分が残ったものを食べてしまいがちです。もう満腹なのに・・・。
環境問題や食品ロスの問題からすると、食べ物を捨てるというのは良くない行為だと思います。しかし、自分の体にとってはどうでしょうか。必要な栄養量以上に摂ってしまっている可能性があります。無理矢理詰め込んだ食事は消化器官に余計な負担をかけたり、脂肪に変わったりして、体にとっては不都合な状態が起きます。
本来なら自分にとって不合理なことなのになんで、人はこのような行動をとってしまうのか。
そこにはサンクコスト効果という心理効果が働いているんです。ではサンクコスト効果とはなんなのか。サンクコスト効果対策をどうすればいいのか。
早速見ていきましょう!
サンクコスト効果とは
サンクコストとは、もう支払ってしまった、取り返すことのできない費用、時間、労力のことです。
そして、サンクコスト効果とはもう回収できないのに、回収したいと思う心理効果のことです。
人は自分が費用を支払ったものに対して、損したくないという気持ちになってしまいます。
「もったいないから・・・」「ここまできたんだから・・・」みたいな時に現れる心理効果だね
最初に話した「一生懸命頑張って作った料理」も、家族が美味しいと全部食べてくれたなら満足できます。でも、食べてくれなかった⇒満足できない⇒損したくない、のような連鎖によってサンクコスト効果が発動してしまうんですね。
身近なサンクコスト効果
バイキング・ビュッフェ
90分3000円の食べ放題!もとを取らなきゃ!
「食べ放題なんだから払った分は食べないと!」「元取らなきゃ損!」というのはまさにサンクコスト効果が発動しています。食べ放題はどれだけ食べても得はしません。いっぱい食べたからといって払ったお金も返ってきません。食べ放題とは、追加料金をいちいち気にせず、気兼ねなく食べられるというのが本来の目的です。値段のことを考えてる時点で目的がずれてしまっています。
繰り返しになりますが、満腹なのにもとを取りたくて食べるというのは、体にはあまりいい行為ではありません。
行列のできる人気店
ランチは蕎麦にしよう
男性が蕎麦屋さんに行くと向かいに新しいラーメン屋さんができていました。
ラーメン屋には15人行列が、蕎麦屋には5人行列がありました。
あんなに並んでいるし、美味しいのかな?
今日は蕎麦じゃなくて、ラーメンにしよう!
彼はラーメンを食べることにし、行列に並びました。
しかし、30分待ってもなかなか進まず、向かいの蕎麦屋さんはすっかり行列がなくなっていました。しかしここまで待ったんだから、もう少し待とう!・・・結局、彼は後30分待ってやっとラーメン屋さんに入ることができました。
ここでも、「こんなに時間を使ったんだから・・・」と損したくないサンクコスト効果が発動しています。本来なら蕎麦でもよかったはずなのに、行列に並んだ時間を無駄にしたくないという気持ちが働いています。
サンクコスト効果対策
もったいないからの脱却
損したくない、損を取り返したいと思ってしまうのはどんな場面でも避けられないことです。しかし、そういう場面にあったとき「これはサンクコスト効果かも!」と思うだけでも、その心理効果を抑えることができます。自分を客観的にみて、結果的に得できる方を選択や損切りできるように心がけていきましょう。
第三者に問う
とはいえ、判断ができないからみんな「サンクコスト効果」に陥ってしまうのです。自分で判断できないなら、第三者に聞いてみるのも良い選択です。すると、相手は良い方を選択してくれる率が高くなります。ここで注意が必要なのが、明らかにどちらかに偏りそうな人や同じ状況にいる第三者に聞くのはNGです。できれば選択した答えに具体的な理由を付けてくれる人にお願いしましょう。
第三者からアドバイスをもらい、最終的には自分で判断することが一番良いと思います。
利用する
定期購読やジムの会員費は年払いにするなど、続けたいと思っているものにはサンクコスト効果を利用して続けられるようにしましょう。「高い費用を払ったから頑張ってしよう」と思えるようになります。習慣は継続で作られます。うまく利用してより良い習慣を身につけましょう。
まとめ
サンクコスト効果とは「もったいない」の正体である。
人生は選択の連続です。
人間は感情で生きる生き物なので常に合理的な選択をするのは難しいものです。
損したくない気持ちはみんな持っています。しかし、全く損しない人生なんてありません。
体と心がいつまでも健康でいられるように、自分にとって最善の選択をしていきましょう。
今日も良い一日を。
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